電車に飛び乗りつり革をつかんだ方の腕をふと見ると、ワキ汗が服の中からじわっと滲み出てきて恥ずかしい思いをしたことのある人、きっと多いと思います。
エステサロンや美容クリニックで人気のボトックス注射を使ったシワ取りや小顔治療。実はその「ボトックス」が多汗症にも効果的って知っていましたか？
日々進化を続けるボトックスですが、「ホントに大丈夫なの？」と不安に思う方も多いと思います。そこで、ボトックスと多汗症予防のメカニズム、またメリット・デメリットをご紹介します。
ボトックスって何？
ボトックスとは、ポツリヌス菌から毒素を抜き取って作られた薬の事です。神経を麻痺させ筋肉の動きを弱める働きがあるのですが、この働きを利用してシワ取りや小顔治療・足痩せに使われたりもします。気になる個所に少量注射するだけの簡単な施術なので、プチ整形とも呼ばれる人気の治療法です。
多汗症のメカニズム
人間の体には「汗腺」と呼ばれる汗を出す組織があるのですが、汗腺にはアポクリン汗腺(ワキガの原因)とエクリン汗腺の2つが存在します。この2つのうち、多汗症はエクリン汗腺の異常が原因とされています。症状の重い方は体温の変化や緊張状態に関係なく無意識のうちに大量の汗をかいてしまいます。そこで患部にボトックスを注射することでエクリン汗腺の動きを抑制し、症状を和らげることができます。
ボトックス治療のメリット・デメリット
メリットとしては、手術に比べとにかく楽な事。施術時間は約10分ほどで、痛みや腫れはほとんどないですし、手術当日に化粧をしたりシャワーに浴びることも可能です。
ただしボトックス注射は多汗症を根本から直すものではありません。効果は半年～1年ほどなので継続的な治療が必要なのと、それにかかる費用が高額なのもネックになります。また、重度の多汗症やワキガには効果が薄いと言われているので、その場合は手術されることをオススメします。
「たかが汗」「手術までも」と躊躇しがちな多汗症治療。もちろんボトックス注射のデメリットはありますが、施術前にしっかりカウンセリングを行い、正しい知識を付けることで、リスクは限りなく抑えることができます。多汗症は立派な病気なので、多汗症でお悩みの方は一度クリニックで相談してみてはいかがですか？
